あるきっかけで、あるダウンロード違法化反対家の人の、自宅のものと思われるIPアドレスを知ってしまった。知ることができたのは、2007年と2008 年のいくつかのある日におけるIPアドレスである。そのIPアドレスを手元のWinnyノード観測システムの接続ログと突き合わせてみたところ、5回の日時において、WinnyノードのIPアドレスとして観測されていたのを見つけた。

(中略)

もっともこれは、児童ポルノ流通の実態調査のためにダウンロードしたものなのかもしれないので、自己の性的好奇心を満たす目的で繰り返し取得したものなのかどうかはわからない。ただ、調査の目的でシリーズをコンプする必要があるのか疑問に思う。たとえダウンロードが現行法で合法であるとしても、通常の Winny(やWinnyp)でダウンロードすると、いくらかの確率で中継ノードからのダウンロードとなり、そのノードに複製を作ることになる。そのことにいくらか違法性があるかもしれないし、そうでないとしても倫理的によろしくない行為だと思う。

(中略)

この追跡したIPアドレスが本当にその人のものなのか、念のため、各IPアドレス(とその時刻)をWikipediaの編集履歴と突き合わせてみたところ、ある著作権関連のエントリに自分自身のことを書き加えた履歴があった。

正直、私は、ここ数年、まさかダウンロード違法化反対家の人が未だにこういう状態だというのは、ちょっと思いもよらなかった。

ダウンロード違法化に対して様々な弊害が挙げられたり、児童ポルノ単純所持処罰化に対して冤罪の恐怖が語られたりするけども、実際困るのはこういうことだからじゃないのか。

私が心配なのは、Winnyにも児童ポルノにも興味のない人々まで、一緒になって反対の声を強めていることだ。特に驚いたのは、7月12日の日記「Winnyによる児童ポルノ流通の実態と児童ポルノ法改正の方向性」を書いたときに、ものすごい勢いで、「児童ポルノなんて存在しない」というヒステリックな反応が出てきたことだった。つまり、児童ポルノ所持とは無縁な人達が、児童ポルノ法の冤罪を本気で怖がって、反対派が作ったまとめサイトの記述を鵜呑みにしてか、「日本には児童ポルノなんかほとんど存在しない」と信じ込まされている様子だった。*9

こんなことでよいのだろうか。ダウンロードしたいから反対する、児童ポルノを持ち続けたいから反対するのであれば、正直にそれを明かした上で意見を述べるべきではないだろうか。

高木浩光@自宅の日記 - ダウンロード違法化反対家の知られるべき実像 (via syoichi)